退職者を見送る

今年に入って、残念ながら何人かの方に退職していただくこととなりました。そういうわけで、最終日にはメールアカウントを失効させたり、他のメールアドレスに転送設定したり、チャット等のサービスからアカウントを削除したりしています。もちろん、最終日だからといって「早く帰れ」とも言えないので、彼らの作業が終わるのをこうして待っているわけです。

最近のマーケティング業界では、「ブランド3.0」、つまり「自社の視点(1.0)」から「顧客の視点(2.0)」へ、そして更に地域社会など「マルチステークホルダの視点(3.0)」を考えて、単に自社や顧客さえ良ければいいということではブランド力にならないという話がたくさん出てきているため、必ずしも会社の都合だけでものごとを決めてはいけないのかもしれません。しかし、やはり私企業というものは慈善事業ではありませんし、マルチステークホルダとは言っても優先順位があります。

このため、優先順位に従って、何かを切り捨てる必要があります。事業の業績が思わしくなければ、自社と顧客の取引関係を守るのが優先するため、地域社会への貢献や、あまりにも費用がかかるブランディング(例えばスポーツクラブの運営など)は後回しになるのが当たり前です。その次に、自社と顧客とでは、もちろん顧客がなければ事業は続けていけないので、自社の中で経営を改善することが求められ、こうして事業を整理したり、何人かに退職してもらうことになります。

つまり現実の優先順位は、

・自社の存続(法人)

・顧客

・従業員

・他のステークホルダ

となります。でも、この優先順位の理屈は上から下に単純な優劣があるというわけではなく、顧客との取引関係を守ることによって法人としての企業が守られ、そうして結果としては従業員を守ることにもなるので、従業員が下に来ているからといって蔑ろにされるわけではありません。しかし、こうした理屈が理解されないと、「他のステークホルダ」である無関係の一般人から見れば、従業員を切り捨てているように見えるのでしょう。

Trifles but they may matter

ささいなこと、でもたいせつかもしれないこと

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